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2009年7月21日

6月 例会 報告

日時  : 6月10日  水曜日
      18:30 ~ 20:30
場所  : 港区立商工会館
参加費 : 1000円
テーマ : 「情勢判断学会の拡大発展のために」
担当  : 古川 彰久

1.本年の例会は「情勢判断学会の拡大発展のためにどうすべきなのか」というテーマで各運営委員から意見を出し合いこれまでの論議を進めてきました。
 私自身は、1月例会において、城野先生の論文をもとに問題提起をさせていただきました。
 2月から5月にかけて、4人の方からご意見が提示されましたが、当然のことながら、それぞれ情勢判断学あるいは脳力開発に対しての思い入れが表現されています。
現段階でこれまでの皆様の意見を取りまとめるよりも、今後さらに議論を深める必要があると思いますので、私自身の意見を提示させていただきたいと考えます。

2.情勢判断学会が対象としている情勢判断学あるいは脳力開発とは如何なるものなのか。
もともと城野先生が唱えたのは情勢判断学でしたが、その前提に脳力を如何に発揮させるかということがあり、それを指針として整理したのが脳力開発です。
従い、私は、情勢判断学は戦略戦術論を中心に構築されていますが、脳力開発はその解説書と受け止めています。脳力開発の指針集では、精神的姿勢で3つ、思考方法で5つ、実際知識で3つの11の指針で示されています。これを学べば脳力開発、更には情勢判断学がマスターできるのでしょうか。
確かに学ぶことは、理解し実践する上で必要ですが、実際の行動の中でどのように11の指針を組み合わせて、成果に結びつけられるのかが問われます。知識として知っていることと、実際に活用できることとは同じとはいえません。


3.情勢判断学の目的:戦略選択における決心覚悟(価値判断)と戦略選択を支える脳力活用方法の両面があります。
私は、情勢判断学が他の能力開発法の考え方と異なる大きな点は、戦略選択における決心覚悟だと考えます。
 決心覚悟の本質はその人の価値判断で あります。従い、その判断が間違えては取り返しがつかなくなります。
 正しい判断をするための習慣作りとし て、脳力開発があり、11の指針があるといえる。
情勢判断学においては、何を決心覚悟するかが戦略であり、脳力開発はそのための手段であるといえましょう。
決心覚悟とは、単なるこうあってほしいという希望とは異なります。自分の行動の原点となるもので、場合によっては他人がどうあれ、自分はこの道を行くということです。
まずは自分の脳力開発から自分の人生 でどのような戦略選択をするのか。また、戦略選択によって脳力開発の内容は異なるし、価値観には客観性による絶対性はなく、価値観の違いが戦略的な立場の違いを生むことにもなります。

4.個人と集団(組織)との関わり
私たちはそれぞれ個人として存在して いますが、一方で家族を核にしながら、集団や組織の中に組み込まれています。個人と集団との関わり方のあり方が問われます。集団も国や民族のような大きな単位もあれば、企業や生活地域のようなもの、更には宗教や趣味の会のようなものもあります。
これまでの日本の社会(現状でもメイ ン)は、組織優先で従順で協調的な個人を養成してきました。これに対して、情勢判断学更には脳力開発は、主体的な個人を前提としています。そこには、個人の戦略と集団あるいは組織の戦略の問題が発生します。
自らの戦略を実現していくにも他の人 の協働や協力が不可欠であり、どのような戦略を選ぶのか、戦略選択や戦略分析が重要です。また、同時に他の人の考えや想いを理解することも重要です。


5.情勢判断学と行動学・人間学
城野先生が良く使われた言葉に「行動学」・「人間学」があります。
戦略は行動しないと実現できません。また、行動を通して、その人の戦略あるいは想いが受け留められます。
 それぞれの時代に、どのような戦略を選択し、どのように社会に働きかけたのか、そこにその人の生き様があり、人間性が出てきます。

6.時代の変化は社会のあり方や、個人の生き方に大きな変化をもたらし、人々の価値観に大きな変革をもたらしています。その結果、戦略選択にも大きな影響を与えることとなります。
 主体的に環境の変化にチャレンジしていく。そこに環境の変化をどのように捉え、環境の中に自分をどのように生かしていくのか。変化に振り回されるのではなく、逆に変化を活用していくエネルギーが必要であり、そこに決心覚悟が求められる。

7.脳力開発のステップと情勢判断学会のあり方について私の提案
  以上のような私なりの情勢判断学および脳力開発に対する考え方から、今後の運営の方向としては以下の2点を提案します。
(1)自分の戦略選択あるいは戦略検討のために
仲間との交流と通して自分の脳力を高める(切磋琢磨)。
価値観・立場の整理と分析。環境の変化の受け止め方。
(2)自分の戦略実現のために
具体的な行動と自分を中心にした仲間作り(分科会活動)

8.以上の古川彰久からの提案に対して、
今回の参加者5名にて討議を行った。

その結果以下のような問題点が指摘された。

  (1)毎月の例会の参加者が固定化されており、新しい人が参加しても、脳力開発や情勢判断学に対しての知識がないと、論議にも参加しにくいので、継続が難しい。従い、勉強会としての要素も必要ではないか。


  (2)古川提案によると、拡大発展を分科会活動に委ねるとなると、情判会活動が分散化してしまう恐れもある。

9.いずれにしろ、今回の討議は本会にとっては非常に重要なものですので、1月から6月までの各参加者の意見を振り返り、今後、特に毎月の例会を具体的にどのようにしていくのか、次回7月例会にて、更に討議を進めることとなった。