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2018年10月15日

平成30年11月例会報告

日時  : 11月8日 木曜日 18;30 ~ 21;00
テーマ :山田方谷の戦略と戦術
場所  : 港区商工会館
参加費 : 1000円
担当  : 堤 金蔵

山田方谷の戦略と戦術
  歴史を踏まえ、日本再生に生かす知恵

略伝1805-1877陽明学者

山田家は元武士であったが百姓として生計をたてていた。方谷は御家再興を願う夫婦の元備中松山藩内西方村に生まれる。
新見藩丸川松隠塾にて朱子学
15歳、両親亡くなり実家菜種油製造販売、夜自学、藩主板倉勝職より二人扶持にて藩校有終館で朱子学 藩校会頭 名字帯刀 山田家再興
佐藤一斎塾陽明学との出会い。塾頭
新藩主板倉勝静帝王学抗議 貞館政要
それ善く天下のことを制する者は、事の外に立つ、事の内に屈せず
義を明らかにして利を図らず。
藩政改没革の実行
藩主顧問として幕末の幕政にかかわる。
大政奉還の上奏文を作成。
松山城無血開城の決断する。
明治政権の招きを固辞、民衆教育に専念する。
閑谷学校再興す
明治十年六月二十六日没

1.学問に志す 丸川松隠塾
  菜種油製造販売 実学
  藩校有終館会頭
  寺島白鹿塾
  佐藤一斎塾 昌平黌塾頭

2.藩政改革

備中松山藩財政の把握
負債整理 大坂米蔵屋敷廃止、地元蔵より相場販売
藩札刷新 永銭発行 旧札大焼却インフレ藩札
産業振興 鉄製品備中ぐわブランド品等々
上下節約政策
民生刷新改革
教育改革
洋式軍制改革
久坂玄瑞農民兵の訓練を視察
河合継之助との出会い
誠心より出づれば、敢えて多言を用いず。
友に求めて足らざれば、天下に求む。天下に求めて足らざれば、古人に求む。

3. 藩政に政治顧問で関与

幕府崩壊を予言
安政の大獄に反対する 生麦事件対処
老中の政治顧問として参勤交代政変に反対
藩主に帰藩を諫言するも入れられず
大政奉還の上奏文作成
鳥羽伏見の戦い 城明け渡しの決断 藩存続指導

4.救藩と余生教育者

人は夢を持つことが肝心なり
されども夢を実現せんとすれば
先ず自ずから努力することを忘れるべからず
唯、必ず我が夢は叶うと信じるのみ
学問の道は誠意のみ。
進徳修業は、すべからく少年の時に及ぶべし。
総て学問は、気持ちをしっかり持ち、物事の筋道を極め、努力することの三つなり。

治国平天下   大学
この世のなかをよくしたい
身男児たり、宜しく自ら思うべし、力なくなんぞ草木とともに枯れんや。
道徳の根源を極め大賢君子の境地を極めたい
寺島白鹿に学ぶ
蘭渓禅師と親交
陽明学者春日潜庵 致とは尽くすなり、極めるなり。良知は、生機の、条あり理ある名にして、気中の精霊なり。
陽明学者佐藤一斎の塾入門、
佐久間象山との出会い
君見ずや、万古の明鏡。一心に存するを。
長岡藩高野松陰との出会い
私塾牛麓舎
女性農民町民教育 士分取り立て
立志、遊芸、励行
洋学、国学その他
砲術戦陣火法

至誠惻怛 国家の為ににする公念より出づして、名利の為にする私念に出づれば、たとい驚天動地の功業あるも、一己の私を為すに過ぎず。
真心と思いやりの心、しせいそくだつ
儒学
朱子学 性即理 人間の本性とは、存在根源を理王陽明の陽明学心即理致良知 格物 個の心が大事
ふみ見るも、鋤もて行くも、一筋の学びの道の歩みなるらむ。
進退はただ義の在る所、義の精微は心に在り、迹に在らず、私心を去りて、本心を見る。其の唯検心工夫有るのみ
天に順ふて人道を尽くす其の道は大公のみ至誠のみ。
進退は、天を以て動け。天を先にすれば天違わず。

改革の環境
新藩主は養子、門閥家老の企画妨害
江戸において帝王学講義 貞観政要 創業の守成と相まって其業を成すや、春耕の秋穫と相まって其稼を成すに異ならず。
国家を治むるは、徳に非ざれば不可なり。才智の能く為す所に非ず。

1. 理財論
失敗の原因分析
財の内側に屈している
その対策
富貴の心
アクションプラン民間活力、庄屋ネットワーク、人材財の外に立ち大局観を持ち収支は一、二名の役人に任せる。
大義を明らかにする。

2. 擬対策問答集
問題提起
衰退の兆候とは
現状分析
武士の風紀の乱れ
借金まみれはなぜか
結論
賄賂の横行と役人のおごり
心を一つにして事態に真心で取り組み、指導する。
士農工商みとめる代わりに上位の責任を厳しく問う
藩主の大改革号令
私財公開
債権者の心をつかんだ借金整理、50年返済計画提示
備中松山藩の商社化
財を用いる兵を用いる、其の道一つなり。兵多きものは分け、数所に備え、兵少なきものは合わせて一手に囲む。
インフレ藩札の回収焼却、新藩札と交換
ベンチャー企業への変身
投資販売まで直営化、ブランドマーケティング
武士の意識改革と軍政刷新洋式兵器製造
新田開発
工場、河川、街道改修等雇用確保
地域産業の活性化 鉄製品、工場設置、たばこ、柚餅子等

幕政参加
幕府国政顧問として
藩主の国政進出への意欲
要職を得るための賄賂は出せません

政局対応
対応能力を失っている
多少の改革では間に合わない
解体の荒治療必要
よって火中の栗を拾うことになるので幕府要人は避ける

安政の大獄への対応
反対し寺社奉行罷免
再び国政顧問
首席老中のブレーンとして
大政奉還と藩の消滅
高梁藩再興
廃藩置県

教育者として
岡山閑谷学校再興 春秋出張講義
藩校
牛麓舎 長瀬塾 小坂部塾
学問所
教諭所
以上方谷の生き方は、他社への真心と思いやりの心で、人の幸せを願い実行する王陽明の遺志を実践されたのでしょう。
戦略と戦術。目的と方法

財務状況
収入28500両
費用49300両うち借入利息13000両
赤字20800両
他に借入金10万両――>
7年で完済更に蓄財十万両

再生イメージ
松山藩――倹約令、賭博禁止、目安箱、酒接待禁止
撫育方、藩軍、藩校、学問所、教諭所、寺子屋、里正隊、米蔵救済蔵設置47か所
大坂――蔵屋敷廃止、コメ市場相場を見て出荷販売
江戸――江戸屋敷産業方アンテナショップ 
備中鋤、釘産品販売

柔能く剛を制する理を知り、而して後以て世に処すべし、以て事に接すべし。以て人を治むべし。
自然の誠意より出でて、財を積み国を富ませば王道なり。
権謀術数を以て、国を富ませば覇術なり。

2018年10月14日

平成30年10月例会報告

日時  : 10月11日 木曜日 18;30 ~ 21;00
テーマ :城野先生の主冊子「なぜ脳力開発なのか」の再考察 第10回~第12回(最終回) ー脳力開発と脳科学との関係ー
場所  : 港区商工会館
参加費 : 1000円
担当  : 古川 元晴

第1 例会での議論の概要
(1)10月例会では、「脳力開発と脳科学との関係」という観点から、城野先生の冊子「なぜ脳力開発なのか」の第10回~第12回(最終回)と脳科学者池谷裕二著『脳には妙なクセがある』(池谷著書)について、「10月例会ご案内」記載の要点整理に基づいて議論し、加えて、城野先生の冊子「脳力開発のすすめ-誰でもすばらしい頭になれる-」に基づいて、城野先生の提唱する「脳力開発」と脳科学との関係についての理解を深め合いました。
(2)そこで、上記文献等を基に、「脳力開発と脳科学との関係」についての議論の概要を整理すると、以下のとおりです。

第2 「脳力開発と脳科学との関係」について
1 「脳力開発」の目的と「脳科学」の目的
(1)城野先生・・脳力開発の推進とはこの世の中をもっと素晴らしく、おれも十分に生きてきたぞという実感をすべての人たちにもってもらいたいという活動なのである。
(2)池谷氏・・ 脳科学の視点から、「よりよく生きるとは何か」を考えること。楽しくごきげんに生きるーこの目標を達成するために脳科学の成果を活かしたい。
(3)評価・・両者は、対象分野は異なっていても、目指す方向(戦略)は基本的に同じであると理解できます。

2 「脳の構造」についての理解
(1)城野先生
  ①140億の脳細胞から成り立ち、一つの細胞から50本くらいの脳神経が出ている。脳神経の末端が、一つの行動ごとに他の脳神経の末端と結合し、シナプスを形成する。
②こうしたつながりができてゆくと、一つの脳神経に伝わった刺激が、他の脳神経にも伝達され、それぞれの脳細胞に応じた反応がとられ、総合的な行動指令となり、身体各部を動かして、人間の活動が生まれる。
  ③脳細胞と神経の数、それに神経の伝達速度は、人間であれば同じであり、大差はない。だから人間としては、元来、秀才、鈍才の区別はない。
(2)池谷氏・・脳は、身体運動の制御装置
①動物は、身体運動を制御するための装置として、進化の途中で、筋肉と神経系を発明した。高速の電気信号を用いて、すばやく運動を行おうというわけ。
③この神経系をさらに効率的に発達させた集積回路が、いわゆる「脳」。脳は、外部の情報を処理して、適切な運動を起こす「入出力変換装置」。餌ならば近寄る、敵や毒なら避けるといった、単純だが生命にとって大切な反射行動を生み出す装置。
(3)評価・・城野先生の考え方が、池谷氏の説く脳科学の観点からも十分に裏付けられていることが、よく理解できます。

3 頭はよくなるのか
(1)城野先生
①食って寝てという人間生存の基本的活動に対応するシナプス形成は、生後4年までで約80%を完了してしまう。
②この後は、社会生活における複雑な事象への反応組織を、一つ一つ積み上げてゆくことになる。成人になってからも頭がよいといわれ、仕事がよくできるといわれる人は、この後の電線の結合作用を沢山つみ重ねてきたからである。
③普通、脳細胞の2%くらいしか使わにずに暮らしているのに、しばらく訓練すれば少なくとも30%くらいは使って暮らすようになる。
  ④これが頭をよくするということで、成人になっても、年をとっても、その気になればできることなのである。
(2)池谷氏
①脳は、周囲の環境や刺激にどう反射行動を起こすかの自動判定装置。
②「頭がよい」の定義を一概に論じるのは難しいが、私は「反射が的確であること(その場その場に応じて適切な行動できること)」と解釈している。
  ③この自動判定装置が正しい反射をしてくれるか否かは、本人が過去にどれほどよい経験をしてきているかに依存。私たちの行動は、80%以上はおきまりの習慣に従っている。「よく生きる」ことは「よい経験をする」ことだと考えている。
(3)評価
  ①城野先生が、未来志向的に頭をよくする方法を説くのに対し、池谷氏は、過去から現在までにおける経験の蓄積としての「生活習慣」がよいか否かによって、頭のよさに差が生じると説いていますが、その根底にある「頭をよくする方法」は、基本的に同じであるように理解できます。
②もっとも、城野先生が人間の「決心、覚悟」等の精神的姿勢を重視しているのに対し、池谷氏は、ヒトの「意志、心」は脳にではなく身体や環境に散在しているという注目すべき説を提起しています。この説の要点は既に「10月例会ご案内」の第2、4で簡単に記していますが、重要な点ですので、次により具体的に見ておくこととします。

第3 脳科学から見たヒトの「意志、心」
1 ヒトの「意志、心」誕生の経緯
①脳の構造は階層的で、「脳幹」「小脳」「基底核」といった旧脳部分は、進化的に古く、いずれも身体と深い関係をもっている。
 ②これに対し「大脳新皮質」は、旧脳のうえに存在しているが、身体性が希薄で、解剖学的にみても、身体と直接的な連結をほとんどもっていない。
③進化的に後から生まれた「大脳新皮質」は、初期の段階では旧脳をさらに円滑に動かすための「予備回路」として参入したが、進化とともに脳が大きくなって、特にヒトでは大脳新皮質の拡大が顕著。その結果、旧脳より大脳新皮質が優位となり、身体性を省略したがる癖が生じた。
④その結果生まれたのが、計算力、同情心、モラルなどの機能。こうした高度な脳力は、もともと身体性から発生したものだが、物体としての身体から解放されることによって獲得された脳力。

2 脳科学が、「意志、心」の所在場所を身体や環境であるとする根拠
(1)経験によって反射の仕方が変化する
  ①自由意思とは本人の錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激によって、あるいは普段の習慣によって決まっている。「思考癖」や「環境因子」が決めている。
  ②無意識の自分こそが真の姿である。意識と無意識はしばしば乖離する
③悪い反射癖が身についてしまうとなかなか戻すことが難しい。
(2)意識に現れる「自由な心」はよくできた幻想
ア 脳の「補足運動野」
   ①真っ先に準備を始める脳部位。その部位での準備後に「・・したい」という感情が"後付け"で始まる。
  ②「意志」はあくまでも脳の活動の結果であって、原因ではない。
  イ 実験によって得られた脳地図・・どの脳部位が何を担当しているかを示す脳地図
  ウ 「自己認識された自分」と「他者から見た自分」の乖離
①前頭葉にある「前運動野」・・個々を刺激すると身体運動が起こるが、本人には「動いた」という自覚がない。
  ②頭頂葉にある「補足運動野」・・個々を刺激すると、実際には動いていないのに「動いた」ように感じる。
   ③結論・・ヒトという生き物は自分のことを自分では決して知り得ない作りになっている。

3 脳科学から見たヒトの「意志、心」の活用方法
(1)よい経験を積んでよい「反射」をすることに専念する生き方の提案
①脳は、元来は身体とともに機能するように生まれた。手で書く、声に出して読む、オモチャで遊ぶなど、活き活きとした実体験が、その後の脳活動に強い影響を与えるだろうことを、私は日々の脳研究を通じて直感。
②勉強部屋や教室をメインに成長した人と、野山や河原を駆け回って成長した人では、身体性の豊かさは明白
③テレビゲームの悪しき面は、身体性の欠如。視、聴、味、臭、皮膚の五感のうち、少なくとも味、臭が欠如。
(2)脳には入力と出力があるが、出力の方が重要
ア 私たちの脳が「出力を重要視する」ように設計されている以上、出力を心がけた生き方を大切にしたい。
  イ 行動するとその行動結果に見合った心理状態を脳が生み出す。たとえば次の例。
①笑顔・・笑顔に似た表情を作るだけで愉快な気分になるという実験データ
②就寝・・寝ようとして睡魔を呼び込むために、就寝の姿勢(出力=行動:寝室に入って電気を消す等)を作ることで、それに見合った内面(感情や感覚)が形成される。
③やる気・・やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出るといケースが多くある。
   ④ニューロン・・身体運動を伴うとニューロンが10倍ほど強く活動する実験データ。

第4 結語
 城野先生の「脳力開発」は、脳科学の発展によって、私たちの日常生活に深くかつ広範囲に根ざしたものとして普及させていく展望が、一層開けてきているのではないでしょうか。脳科学の現時点での到達点及び今後の更なる進展を注視し、今後の「脳力開発」の実践活動及び普及活動に極力活かしたいと思います。