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2021年9月22日

令和3年10月例会報告

令和3年10月例会報告

日時  :10月14日 木曜日 18;00 ~ 20;00

テーマ :城野先生の「情況判断の行動学」 の第三章(8)修正・反復・継続と(9)目的達成後の保持より


場所  : 港区立商工会館

参加費 : 1000円

演者  : 神前 直哉

8 修正・反覆・継続
(1)難関にあっても、あきらめるな
戦術の実行は一歩一歩つづけて前進することであり、途中でやめてはいけない。失敗だというのなら、戦略方向が間違っていたわけだから、その方向を転換する必要があるが、途中の難関とは失敗ではなく作業上の効率の高低にすぎぬのだから、行く先そのものを転換する必要はない。戦術の実行は途中でやめないということを必須条件とする。途中でやめるのは、戦略を棄てることなのである。
(2)成功と失敗のエネルギー量
A とBと二つの事物のうち、Aの方がBの方よりも難しいと思えることは通常の現象である。その難しいというのは、距離が長い、新条件の出現が多いという分量だけのことである。アフリカに行く方が玄関ロビーまでタバコを買いに行くことより難しいと思うのも、単に距離の長さからくる未知への不安にすぎぬ。分量が多いから、時間が長くかかるとはいえても、易しいと感じるものに比べて、別にちがったことをするわけではない。実行をやめずにつづけておれば、結局、目的地についてしまう。難しいからストップするという理由は、何一つ見つからなくなるだろう。大きな問題でも、戦術として実際にやっていくのは一歩一歩である。それを、止めないで目的達成までずっとつづけていけば、結局は目的に行きつく。脳の作用は、ストップをかけぬというだけのことでこの成功を可能にする。戦術の実行は目的達成まで止めないということでなければならない。
9 目的達成後の保持
(1)成功は成功を保持することにある
目的が達成されたら、これを成功という。しかし、その達成された状態、成功の成果がつづいて保持できなければ、成功した意味はない。敵陣に突入して占領したら、要所に兵隊を整備し、大砲をすえ、指揮部は壕の中にもぐり、どんな反撃にも、びくともせぬ配置をととのえておかねばならぬ。世の中のことは、万事これと同じである。小さな会社を大きくし黒字にした、これで安心と気をゆるし、ムダ使い、自惚れ、放漫経営となると、忽ち倒産となる。成功の保持という観念がなかったからである。戦術実行によって、戦略目標を達成したら、その成功の成果を、これ以上に気をくばって保持していくという心掛けがなければ、その上に、さらに新しい成功をつみかさねていくことはできない。
(2)実績を重ね、事態に対処せよ
これまで、脳の使い方のプロセスを示した。これを暗記してしまうことはたやすくできる。しかし、暗誦できるだけでは、自分の行動となって事を処することはできない。脳中枢から、身体各部への行動指令が出るようにするには、暗記した法則基準を、実際行動に適用して、何度でもやってみることである。行動した結果として、うまく処理した、成功したという実績、うまく処理できなかった、失敗したという実績を点検し、どこに、どう通用したからうまくいき、成功したか、或いはうまくいかず、失敗したかの原因を究明し、その次の行動の参考にする。これを繰り返していくと、脳細胞のシナプス形成が、次第に再編成されていき、どんな事態にも、立派に対応できるようになってくる。このように、一人一人が変化をとげ、発展し、世の中を明るくし、もっともっと素晴らしい生活と人生を、つくり出していくようにしたいと思う。能力開発とは、人生観の転換であり、無限の可能性の創出であり、人類生活と、人生を、更に豊かにしていくためのものである。

参加者の意見交換等
1.修正・反覆・継続
(1)難関にあっても、あきらめるな
前節までの内容のまとめであり、戦術の実行は一歩一歩つづけて前進することで決して途中でやめてはいけないという考え方について、あらためて確認できた。
(2)成功と失敗のエネルギー量
アフリカに行く方が玄関ロビーまでタバコを買いに行くことより難しいという比喩について、距離という条件は行動しない理由にはならず失敗の原因ではない。失敗は距離を原因と捉えてしまい歩みを止めてしまうことである。実行をやめずに続けていれば、目的地に辿り着く。難しいからやめるという理由は何一つ見つからなくなるという考え方について、前節の内容を踏まえてあらためて確認ができた。
2.目的達成後の保持
(1)成功は成功を保持することにある
成功の保持については、心掛けることが重要であるが、やはり難しいことである。例えばSONYのように創業よりイノベーションを起こし世界に通用する企業となったが、そのご業績気が減衰してしまった。他にもHONDAや松下電器など同様の事例も存在する。ここで、あらためて成功を保持することの重要性を確認できた。