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2022年11月22日

令和4年12月例会報告

日時  : 12月8日  木曜日
      18:30 ~ 20:30
場所  : 港区立産業振興センター
       10階 会議室3
テーマ : 「東西古今人間学2」後編
テープを聴く
演者  :  塩沢貴良

【ナポレオンと秀吉に見る科学的計算性】
テープ前半内容
ナポレオンは貴族の中でも下っ端の家柄に生まれた。ナポレオンが勝った戦争時のフランス軍は大変勇敢だった。城攻めの際には大砲を一番前に布陣させた。対する王族はスイスの雇われ兵を中心に、今まで通りの戦い方を展開し、ナポレオンが勝利した。
また、ナポレオンがツーロン港を攻略する際には、まずツーロン港にいるイギリス艦隊を動かすことを考えた。 ナポレオンは砲兵の車輪を工夫し、対岸の山の上に上げた。山の上から狙われたイギリスの軍艦は撤退した。一時は膠着していた局面も「どうやってイギリス軍艦を動かすか」を考えることにより局面打開につながった。大砲重い→車輪を工夫し山の上に移動させる。科学的計算性とは簡単なことである。
前半意見
科学的計算性はコロンブスの卵である。科学の進歩から生まれる。科学的計算性とは論理的な考え方ではないか。例えば、大砲をどう使うか?多面的に捉えて実践。大砲は当たらない。近づけて命中精度を上げる。狙いやすい位置に移動させる。大砲と望遠鏡の組み合わせ。信長も鉄砲の短所を克服し、長所を利用した。具体的には数を合わせて利用した。
また、悪い例としてウクライナ戦争はプーチン氏の奢りが招いたのではないか。自信がないからこそ相手を分析する。だから戦略が生まれる。

テープ後半内容
ロシアに負けたナポレオンには戦略がなかった。ナポレオンは首都モスクワを落とせば降参するだろうと戦争を仕掛けた。モスクワで火をかけられ、冬越しの準備もできずに50万人は壊滅した。戦略が失敗すると戦術でカバーできない。
ハンニバルのカンネ戦役では、ローマ軍7万人とカルタゴ3万人が戦い、ローマ軍が全滅した。数の少ないカルタゴ軍はローマ軍を包囲した。カルタゴ軍は象を前面に出し、踏み潰した。左右に逃げる兵を両翼の騎馬隊が駆逐した。
また、ノモンハンの日本軍の戦い方はソ連戦車に近づき、火炎瓶を投げつけた。当時はガソリンを燃料に使用しており、良く燃えた。また、戦車は上からの攻撃に弱い。航空機による急降下爆撃が有効だった。

後半意見
ナポレオンはモスクを落とせば降伏するだろうという戦略を立てた。ロシアの戦略は「戦わずに徹底的に引き込む」で挑んだ。ナポレオンは軍隊で抑え込む→相手は降参すると思っていた。補給路が伸びるナポレオン軍に対し、ロシアは補給がしやすかった。
戦略がないと負ける。相手に戦略を与えたら負け。北条の戦略は籠城にあった。水に苦労しない城であり、100年続いた。攻めてこないと思う北条氏の戦略が敗れた。ナポレオンの敗戦は連戦連勝が原因かもしれない。ワンパターンになってしまった。
また、戦略と戦術の違いについて議論があった。サッカーワールドカップ日本代表監督森保のスペイン、ドイツに対してとった戦略を考えた。塩沢の考えた森保監督の戦略は「相手を疲れさせ、後半選手を入れ替えて攻撃」と主張した。参加者の意見としてはそれは戦術である。ベストエイト進出もしくは優勝が戦略であり、「相手を疲れさせ、後半選手を入れ替えて攻撃」は戦術であるとの意見があった。
榊原氏の解説として、戦略とはフラクタル構造であり、どの視点で見るかにより、戦略戦術の考え方が変わるとあった。2年間勉強を続けているがこのあたりの確固たる考え方をどう判断するのかがとても悩ましい