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教育問題について、今年前半の例会のまとめ

日時  : 7月12日  木曜日
      18:30?20:30
場所  : 港区商工会館
参加費 : 1000円
テーマ : 「教育問題について、
今年前半の例会のまとめ」
担当  : 時藤 稔明

<主旨>7月例会担当者が急遽都合が悪くなり、今年前半の例会での各メンバーの提案をまとめ、情勢判断学会としての提言の方向性を探るために7月例会出席者で議論しました。
グローバル化など大きく情勢は動いているのに日本の意識は国内主体。特に今の時代、将来に向かって応用の効く提言が必要との認識から、教育問題を教育産業や教育技術論に留まらず、人間はどう生きるべきか、日本はどの方向に進むべきか、根本的に捉えて考えていこうということになりました。

<議論の内容>

1.例会での各メンバーの発表主旨の整理
1月(古川委員長)
時代の環境が変化しているなか、教育の本質とは何かを議論しようと、意識的に枠を広げて問題提起した。根本の問題は「依存」や「従属」の意識
2月(矢澤氏)
教育の目的は人を幸せにし、夢を実現するためにある。人生の素晴らしさ、生きる喜びと勇気を子供たちに伝えることができたら、それこそ最高の教育。人間関係を保つために最低必要な常識と礼儀、ならびに人として責任を持った生き方ができるようにするための倫理観をみにつけさせることが教育に要求される。
3月(時藤)
社会問題・現象の原因、さらに根本原因を探り、教育問題のテーマを探した。現在の混乱の根本原因は「自己鍛錬をせずに、表面的個人主義に踊らされて、自己中心的に生きている」ことではないか。
4月(今井氏)
教育問題を実生活の面から捉えてみた。成功のビジネスモデルが短縮化してゆくなかで、人生の長さを同じ技能で勝ち抜いてゆくことは困難な状況になっている。そのなかで、人生を楽しく、価値高く活きていくためには、精神的な満足度を高め、人生の波の中にでも謙虚に生活の基盤を固めてゆく努力をしていくべきだ。
5月(田中氏)
コミュニケーションの観点から見ると教育を見た場合、教育の問題は2つあります。一つはコミュニケーションの量。子供を取り巻く人的な関係、親、兄弟、祖父母、友達、教師など子供が関わる様々な世代の人々との交わりが減った。もう一つはコミュニケーションの質の不適切。子供の成長に欠かせないのは、親、教師、家族、ご近所が子供ときちんと向き合うこと、適切なコミュニケーション環境を整えることです。
6月(平井氏)
国民の教育が何故必要か。一つには民主主義の質の向上のために、具体的には選挙権行使等の負託の質の向上にある。もう一つはグローバル化の問題だ、高学歴の知的労働者を必要とする国是を如何に満足させる政策が取れるかにかかっている。

2.整理の仕方について
【今までの視点を整理しよう】
・いろんな考え方の中からこの考え方がいいんだよとか、現象から原因を探るなど何か引っ張りだそうとしている。いろんな意見を整理してみましょう。
・具体的なことから入っていかねばならない。今までに出されている確かな言葉のなかから、課題として何を設定するかですね。
【検討目的を明確に】
・情勢判断学会として最終的にどうしたいという提言になるから立場は我々、情勢判断学会となる。次のアクションを起こすか起こさないのか。目的は何なのか。何のために教育問題を議論しているのかを明確にしよう。
・目的に立場がでてくる。どう考えるのか
【幅広い視野で】
・教育とは学校教育と思うが、今までの議論は教育と言いながらかなり先のことを言っている。
・教育問題は根本問題と思う。特に今の時代、
そこを議論せず、技術論だけを話すと問題が起る。
・教育とは何かは人間とは何かになる。人間を作っている社会は何か、人間はどう生きるかに直面する。一人では生きていけない、社会で生きていくにはどうしたらよいか。三国志の人間学にイキイキとした生き方が描かれている。
・将来に向かって応用が利かなければ意味がない。
3.現在社会の問題点
【時代の変化を受け入れてない】
・時代は変わっているのに権益を持っている人が過去のほうがいい、今の時代が間違っているとその流れを断ち切ろうとしている動きを感じるのが問題。
・時代が変わったのだから適応していかねばならない。

【グローバル化】
・格差社会を直して、総中流にすると治安的にみると良くなるが、グローバル化にみると時代遅れになり、対応できない。
・アメリカは経済的グローバル化、すごい競争社会。今は経済で世界を支配。昔は軍隊で支配。日本も今はすさまじい競争社会、今は良くても明日は分からない。日本はどうなるのか不安ばかり。
・今、グローバル化から逃げるわけにはいかない。
・世の中は変化するもの。日本もその中に入ってきた。
・日本は安い賃金の国でなくて3次産業の国になったのだから、単一労働者はいてもらっては困る。開かれた日本にしないと飯は食えない。
・教育の問題も国内しか考えてない。

【女性の変化、少子化、格差社会】
・女性の労働、生き方が変わった。
・結婚しても収入が少なく子供が作れない家庭がある。
・こんな少子化の問題が出てきたのは単に1世代の問題。こんなに違ってくるのはそんな昔の話ではない。

【教育の目的のズレ】
・今の教育は進学、偏差値の高いところに入った事を成功の尺度にする。東大の人は幸せなのか、他は幸せではないのか。違うと思う。
・親の言うことを聞いて男と付き合わずにハタと気づいたら結婚できなかった。これは不幸せなことですよね。若いころから男と付き合って、結婚するほうが幸せ。

【日本人の体質】
・日本は流されるだけ。国として日本はどう生きていくかを考えなければならない。日本が変わったのは外圧があった時だけ。
・日本人は現実を見ない体質になってきている。
【田舎は疲弊している】
・田舎での話し。ミカン畑のミカンの木を切っていっている。民家の近くは草刈をしないと迷惑を掛けるので刈っていたが、山はほっていた。近所から草が猪の巣になるから草を刈って欲しいとのクレーム。他の近所の人と話したら「草を刈ってくれと言われて刈ることが出来るのは後10年」と意見が一致した。私は相手の顔が見えるから刈るが、息子は何もしないと思う。
・医者も田舎は住まないという。弁護士も無収入でいいから東京にいたいと言う。その傾向がどんどん進んでいる。
・田舎も何か売り物を考えないと消滅する。お寺、神社もなくなる。

4.提案のアイディア
・若いひとには年配のしっかりした人と付き合っておけよというが、ほとんどの人が交流がない。
・子殺しの問題がでている。子供のいるひとが離婚するのであれば子供を預けて離婚しないと、子供が殺される。人間は偉そうなことをいっても動物と同じ。子供を自治体に預ける制度が必要。大きくなったら自衛隊に入るとか。
・少子化の問題を考えると、昔の女系社会がよい。男はどうでもよい。女がしっかりしていれば子供はちゃんと育つ。社会として何か考えないと、形態を考えなければならない。
・教育の成功、不成功の基準、目的を幸せにすべき。
・大きな立場から日本はどうすべきかを考えなければならない。
・方向によって一律の教育でなくて、良い方向を伸ばす選択もあってよい。
・輪島塗とか伝統工芸も一つの活きる道。
・野菜つくりで輸出しているのが高く売れている。高くても価値あるものは売れる。何か日本の生きていく道を語らないと、負けることばかり考えていても仕方ない。
・リーダーに慈悲の心がないと難しいが、一人一人の人間の力が発揮できるしくみが必要。

5.今後の方向(古川委員長)
・教育問題を単なる国内問題としてだけではなく、世界的な視点も合わせ整理する。その中で日本あるいは日本人として今後どのようにしたら良いのか、また、教育はどうあるべきかを整理していく。

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