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平成31年2月例会報告

日時  : 2月14日 木曜日 18;30 ~ 21;00
テーマ :城野先生のDVD「東西古今人間学」の鑑賞会
場所  : 港区商工会館
担当  : 古川 彰久

 1.城野先生の「東西古今人間学」の紹介
 城野宏著「東西古今人間学」の序文から抜粋
私が「人間学」と言っているのは、人間の動き、人間の行動のことなんです。そして、人間の行動というのは脳力開発からくるということなんです。
人間の脳というのは、外的刺激に対して反応するんです。そして、この反応が戦略的選択をしているわけなのです。つまり、ある刺激があった場合、脳は刺激を避けて逃げていくか、それとも近づいていくか、二つに一つなんです。ほかの行動を取ろうとしてもできないんです。どうしても二つに一つの選択しかできないんです。
人間の脳の構造からして、古代の人間と現代の人間に違いがあったかというと、それはほとんど違わないんです。
古代人も現代人も、御飯を食べ、衣服を着、家に住まう。人間生活の根本になっていることは、今も昔も同じなんです。
特に、人間と人間の関係といいますか、人間と人間の関わり合いから見ていけば、古代の人達も現代の人達もほとんど差のない反応をみせたに違いないんです。ですから人と人の関係が人生であり、そして仕事でもあるといえると思います。
人間の行動は、科学や物理学みたいに実験できないんです。
ところが古代の人達は実験してくれているんです。歴史上の人物達が人間の行動学を実際に示してくれているんです。古代人も現代人も脳の反応は同質なのですから、我々にとって古代の人達が取った行動、活動というのは大いに参考になるんじゃないかと思うんです。

2.DVD「東西古今人間学」の紹介
城野夫人のご努力により、城野先生のご講演「東西古今人間学」がDVDとして、発刊されました。
「東西古今人間学」のご講演1回約2時間、6回分がDVD3巻に収められています。
城野先生が昭和60年にご逝去されて、既に34年目を迎えており、懐かしいお姿と肉声を聞きながら、直接学べることはありがたい限りであります。
何分古い画像ですので1部画像の乱れはありますが、城野夫人のご好意により、特別価格3500円(税・送料込み)で販売しております。なお。今回、鑑賞会への参加者で購入希望者には、2000円(5セット限定)でお分けしました。

3.今回のDVD鑑賞会
第1巻の前半分約1時間を鑑賞し参加者で意見交換を行いました。
前半分の要旨
(1)足を使い、頭を使い、人間と人間との関係を作ること大切である。仕事をするには協力する仲間を作る必要がある。
相手の人間がどのようなものか見て取る。自分という人間がどのようなものか見て取る。人間を見て取るのが人間学である。
(2)東西古今人間学では、日本、中国、ヨーロッパの傑出した人物につき、その動きを研究し、どうしたらうまくいき、どうしたらうまくいかないのかを探し出す。
(3)普遍性の基礎の上に、違い(特殊性)を見ていく。人間は基本的にはどこでもいつでも同じ(普遍性)であり、環境が異なる(特殊性)。どのように手と口を動かしているか、記録から判定する。
(4)天下を統一する戦争においても、日本と中国・ヨーロッパとは戦略は同じでも戦術は異なる。
漢の高祖・劉邦、秦の始皇帝は敵を全部滅ぼす。
ヒットラーの場合も、対抗馬を殺す。
経済とは飯を食わせて、住居に住まわせ、 着物を着せることである。牧畜と農耕では異なる。
(5)牧畜には水が不可欠であるが、水を確保するのに、共同よりも自分を守ることが優先される。ここに個人主義の考えがでてくる。又、一方で、分散しているものを集めて仲間を作るために神が要ることから宗教が必要となる。
(6)農耕の場合には、協力してやっていくことが要求される。日本では、高天原の時代には灌漑水道が作られたといわれる。米を作るには水路が必要であり、田植えを短期間に行うにも共同が前提となる。更に台風の季節に行う収穫作業も共同が必要である。このような社会では、宗教よりも、村八分が一番怖い。
(7)人間の普遍性と特殊性について、日本、中国、ヨーロッパにおける、みなが知っている有名な人を取り上げ、その人たちの行動に関する事実を集めてみて、これまでみなが抱いてきたイメージと比べ、本当はどうなのかを確かめてみよう。
(8)たとえば、石田三成について、皆さんのイメージはどうだろうか。やり手だが人望がなかったとのことだが、本当はどうなんだ。
関が原の戦いで敗れたとはいえ、西軍の指揮官として、大大名を傘下に集めている。人気があって、信頼があったということではないか。
石田三成は朝鮮戦争で指揮を取っている。 この戦争で20万の軍隊を船舶輸送で送った上に全部収容した。このようなことは古今未曾有のことといえる。

5.参加者による意見交換会
 今回の参加者は11名でしたが、このうち発足当時からの参加者は古川兄弟、石田氏、榊原氏の4名で、堤氏と松本氏は1年ほど前からご参加いただき最近ご講演もいただきました。利島氏と大畑氏は最近ご参加いただき、今回初めてご参加いただいたのが鎌田氏、新開氏、中川氏の3名でした。
 DVD鑑賞後にお互いに自己紹介を兼ねて、「脳力開発」や「情勢判断学」への想いを語っていただきました。
 松本氏をはじめ、最近参加された若い方々の多くは自立して事業を営まれており、チャレンジ精神があり、城野先生の戦略・戦術論を事業運営に役立たせようと参加されています。

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