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令和4年1月例会報告

令和4年1月例会報告

日時  :1月13日 木曜日 18;30 ~ 20;30

テーマ :城野先生の「情況判断の行動学」   
       の第四章(3)経済発展の戦略的評価より

場所  : 港区立商工会館

演者  : 松本 友

今回も引き続き第四章の残りを参加者で読み合いを行いました。

日本経済と高度成長は、人間活動の結果、実現できたもの。ということは、制度・組織・運用方法が存在します。

その原因と条件とは何か。それは日本人の特殊性と、特殊な条件が合わさったものと考えられます。

日本人の特殊性とは何か。つまり。

・日本人は信号を守る
 赤信号、みんなで渡れば怖くないという言葉に象徴されるように、基本的に信号を守ることが当たり前になっています

・国民が1人前の判断力を持っている
 最近でこそ、電車で隣に座った人が怪しい人だったら、と思ったりする事件も起きます
 けれど、基本的に安心して生活できます

・国が国民に対する信頼を持っている
 日本にいるとそれが当たり前のようですが、一歩外に出ればとても貴重なことなのでしょう

・時間を守る
 外国人の友人を持てば日本人が基本的に時間感覚に優れていることがよくわかります

・他民族に支配されたことがない
 敗戦しても、直接他民族の支配下に置かれて来ませんでした。

ソ連や中国をみれば、スターリンや毛沢東の統一により行動や意見が違うと国に逮捕されてしまうため、自由な発言、自由な行動が出来ないのが当たり前です。

日本は意見が違っても逮捕されません。政策についていくら批判しようとも、警察に呼ばれる、公安にマークされることはありません。コロナ禍で各国ではデモが行われ、暴動になり逮捕者が出ましたが、日本においてはデモもほとんどないですし、あっても静かなものでもちろん逮捕者も出ません。

特殊条件のほうはどうでしょうか。
昔と比べて驚くほどの長寿の実現、公害対策、医療福祉の充実があげられます。教育の普及に関しても、同一民族、同一言語であることから比較的スムーズに広げることができました。これがロシアや中国のように、多民族、多言語を擁する国であればこうは行きません。

また、平等な経済活動が出来るのもそのひとつです。

ヨーロッパではいまだに階級社会が残っているといいます。ロンドン在住の方の著書を読んでも、例えばオリンピックにしても貴族の楽しみだったことがまだ残っていて、競技者にせよ、それを見る人たちにせよ、ほんの少しでしかないようです。日本とは大違いです。東京で行われたオリンピックなのに、是非が問われてあまり興味を持つ人が少ないなんていわれつつも、実際に開催されるとメディアはオリンピックを毎日報じ、メダリストをたたえ、当然、普段の生活でも話題に上ります。

つまり、ヨーロッパを例にとっても一部のお金持ちを優遇する制度やその人達にあったルールが存在するため、日本のようにゼロから銀行にお金を借りて仲間を集め会社を立ち上げて経済活動をすることが出来ないのです。

恵まれた条件があるものの、現在の日本は各国の勢いよりも失速しているように思います。今、日本はどうすべきか、どうしたいのか。改めて考えていきたいと思います。

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