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平成30年5月例会報告

日時  : 5月10日 木曜日 18;30 ~ 21;00
テーマ :城野先生の小冊子「なぜ脳力開発なのか」の再考察、第4回から第6回
場所  : 港区商工会館
参加費 : 1000円
担当  : 榊原 高明

4月の例会に引き続き、第4回から第6回を担当しましたが、私が会の冒頭に、戦略と戦術のピラミッド構造などについて言及し、これに対する議論に時間を費やしたため、今回は第4回の説明だけで終了しました。
次回6月の例会で残りの第5回と第6回について、お話しさせて頂きます。

(1)目的と手段の相対列(ピラミッド)
個人的には企業戦略が確定されていれば、それ以外は戦術であり、よく言われる-開発戦略、営業戦略や財務戦略などの言葉は本来存在しない。
なぜこの表現が許されるのか考察していた時、テキスト「脳力開発指針集」のP66の『目的と手段のピラミッド』を思い出し、これに基づいて検討した結果、目的(戦略)と手段(戦術)のピラミッド構造からは戦術レベルであっても、更に下位の戦術から見た場合、上位の戦術は戦略と仮定的に呼ぶことは可能であると思い至りました。
ただ、世間で開発戦略といった時に、果たしてこのピラミッド構造を認識した上で言っているのかは疑問です。
城野さんも書いていますが、「販売戦略」と題する本を読んだが、それは販売戦術を羅列したに過ぎないものだったとあります。
これだけ戦略、戦略と言われている割には、未だこれが正しく理解されていないのかもしれません。

(2)電力会社の「安全第一」について
古川元晴氏より、東電の一番重要なことは安全第一であるとの提示があり、これについて議論しました。
「安全第一」だけでは利益を生み出すことにはならず、これは戦略たり得ないとなりました。
それでは「安全第一」は何に相当するのか、いろいろ意見がありましたが、結論には至りませんでした。
「安全第一」と「利潤」は互いに相反関係にあり、この両者のバランスをとるのが経営レベルの重要な責務であろう。原発事故についてもこの辺りが関係して来るのではないか。
個人的には「安全第一」とは企業理念に近いのではないかと考えています。
【石田氏の発言】
自分の働いていた工場で死亡事故が発生した。
仕事が繁忙を極め、製造現場にかなりの圧力がかかっていた中での事故であった。
それまで安全第一とは言われていたが、この事故を経験して、本当に納期より人命を優先(安全第一)することが理解された。

(3)ランチェスター理論で有名な竹田陽一氏の批判について
相当昔の話ですが、ある方から、「竹田氏が、脳力開発のインストラクターは、戦略と目標、目的をごちゃまぜに講演していると批判している」と聞いた。
5,6年前に氏へメールして、これについて言及している書名を伺い読んでみました。目的、目標及び戦略を分ける考え方です。
これについて議論しましたが、私の説明が良くなかったのか、明確な結論に至りませんでした。これについては今後も自身でフォローして行きます。

(4)第4回"戦略と戦術を区別すること"

1)国内の中~大手企業は、改善、進歩したのか
「ごくありふれた役員会風景」の紹介
売れる売れないを→「討論」する
  10分で済む会議→3時間かけても結論出ず。
日本企業のだらだら会議は改善されたのか。
アップルの株式時価評価額を見る。
 2012年 マイクロソフトを超えた。
 2018年 9372億ドル(約102兆円)
トヨタは23兆円→アップルは4.4倍
「iフォン」を発売するまではトヨタと比べるべくもない企業だったが、今やトヨタを買収できるほどに成長した。

2)改めて戦略とは
・打撃の方向
・脳の作用をどの方向に向けるのかを決定する
・戦略は二つの内、一つしかとれない。
 ⇒札幌と大阪へ、同一人が同時に行くことは
できない。
・戦略のない戦術→無意味
 戦術のない戦略→空論
・戦術とは戦略を達成するための手段、やり方
・戦術は戦略に従属する

3)企業における戦略・戦術
・組織的統一行動のためには討論が必要。
 これは手段を選ぶためではなく、成員の意思を
統一するため。
・企業という組織体では
 ⇒戦略統一のための討論、意志の明確な把握は
絶対に必要
 戦略を社員一人一人に徹底的に理解させよ
 社長、役員達だけが戦略を持っていてはならない
・企業の総戦略
 二つに一つ→拡大発展か、現状維持か(先細り)
・「自社の戦略を知らない、理解していない社員の
行動」
 →各人それぞれの戦略で目前の仕事処理、
 こっちの"プラス"をあっちの"マイナス"で消す
 全体はトンチンカンな活動に
 例:札幌へ行く(戦略)→切符を買いに行く(戦術)
  →大阪までの方が安かった→大阪行きの切符を
買った、出費は削減(鼻高々に報告)→札幌へ
行けない(戦略未達)
 こんなバカげたことはないと思うだろうが、実際に
企業の中で、このバカげた戦術決定が無数になされ
ている。社長だけが知らないで、首をかしげている
人間の脳は二つの内の一つ、どちらかの戦略で作動  
させてしまう。
 社長→拡大発展の戦略指示
 社員→現状維持に役立ててしまう

4)「戦術」-どんな戦術を選ぶか
・戦術がやり方であり、決まった事実の組合せに過ぎ
ない
・「売る」についての戦術とは
 容易に売れる部面に、容易に売れるやり方を決める
・売れない局面と難しいやり方
 後回しが原則
 易しい方が解決すると次第に難しい方も解決する
のが事物の発展過程
・どう売るか
 実際に持っている人間と組織とでどう活動するか
・無数のやり方、段取りが存在する
 その中から、実際の自分の力に合ったものに決めれ
ばよい
戦略と戦術の区別ができると
→脳力は十数倍になったと自覚して良い

5)古い(1970年代)情判会の会員、牛井渕
アイコさんの紹介
 1985年に生命保険セールス月間54億円の
世界記録を達成
 本項は例会では時間切れでお話しできなかったので、詳細は6月の例会報告でと致します
                     以上

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