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平成30年11月例会報告

日時  : 11月8日 木曜日 18;30 ~ 21;00
テーマ :山田方谷の戦略と戦術
場所  : 港区商工会館
参加費 : 1000円
担当  : 堤 金蔵

山田方谷の戦略と戦術
  歴史を踏まえ、日本再生に生かす知恵

略伝1805-1877陽明学者

山田家は元武士であったが百姓として生計をたてていた。方谷は御家再興を願う夫婦の元備中松山藩内西方村に生まれる。
新見藩丸川松隠塾にて朱子学
15歳、両親亡くなり実家菜種油製造販売、夜自学、藩主板倉勝職より二人扶持にて藩校有終館で朱子学 藩校会頭 名字帯刀 山田家再興
佐藤一斎塾陽明学との出会い。塾頭
新藩主板倉勝静帝王学抗議 貞館政要
それ善く天下のことを制する者は、事の外に立つ、事の内に屈せず
義を明らかにして利を図らず。
藩政改没革の実行
藩主顧問として幕末の幕政にかかわる。
大政奉還の上奏文を作成。
松山城無血開城の決断する。
明治政権の招きを固辞、民衆教育に専念する。
閑谷学校再興す
明治十年六月二十六日没

1.学問に志す 丸川松隠塾
  菜種油製造販売 実学
  藩校有終館会頭
  寺島白鹿塾
  佐藤一斎塾 昌平黌塾頭

2.藩政改革

備中松山藩財政の把握
負債整理 大坂米蔵屋敷廃止、地元蔵より相場販売
藩札刷新 永銭発行 旧札大焼却インフレ藩札
産業振興 鉄製品備中ぐわブランド品等々
上下節約政策
民生刷新改革
教育改革
洋式軍制改革
久坂玄瑞農民兵の訓練を視察
河合継之助との出会い
誠心より出づれば、敢えて多言を用いず。
友に求めて足らざれば、天下に求む。天下に求めて足らざれば、古人に求む。

3. 藩政に政治顧問で関与

幕府崩壊を予言
安政の大獄に反対する 生麦事件対処
老中の政治顧問として参勤交代政変に反対
藩主に帰藩を諫言するも入れられず
大政奉還の上奏文作成
鳥羽伏見の戦い 城明け渡しの決断 藩存続指導

4.救藩と余生教育者

人は夢を持つことが肝心なり
されども夢を実現せんとすれば
先ず自ずから努力することを忘れるべからず
唯、必ず我が夢は叶うと信じるのみ
学問の道は誠意のみ。
進徳修業は、すべからく少年の時に及ぶべし。
総て学問は、気持ちをしっかり持ち、物事の筋道を極め、努力することの三つなり。

治国平天下   大学
この世のなかをよくしたい
身男児たり、宜しく自ら思うべし、力なくなんぞ草木とともに枯れんや。
道徳の根源を極め大賢君子の境地を極めたい
寺島白鹿に学ぶ
蘭渓禅師と親交
陽明学者春日潜庵 致とは尽くすなり、極めるなり。良知は、生機の、条あり理ある名にして、気中の精霊なり。
陽明学者佐藤一斎の塾入門、
佐久間象山との出会い
君見ずや、万古の明鏡。一心に存するを。
長岡藩高野松陰との出会い
私塾牛麓舎
女性農民町民教育 士分取り立て
立志、遊芸、励行
洋学、国学その他
砲術戦陣火法

至誠惻怛 国家の為ににする公念より出づして、名利の為にする私念に出づれば、たとい驚天動地の功業あるも、一己の私を為すに過ぎず。
真心と思いやりの心、しせいそくだつ
儒学
朱子学 性即理 人間の本性とは、存在根源を理王陽明の陽明学心即理致良知 格物 個の心が大事
ふみ見るも、鋤もて行くも、一筋の学びの道の歩みなるらむ。
進退はただ義の在る所、義の精微は心に在り、迹に在らず、私心を去りて、本心を見る。其の唯検心工夫有るのみ
天に順ふて人道を尽くす其の道は大公のみ至誠のみ。
進退は、天を以て動け。天を先にすれば天違わず。

改革の環境
新藩主は養子、門閥家老の企画妨害
江戸において帝王学講義 貞観政要 創業の守成と相まって其業を成すや、春耕の秋穫と相まって其稼を成すに異ならず。
国家を治むるは、徳に非ざれば不可なり。才智の能く為す所に非ず。

1. 理財論
失敗の原因分析
財の内側に屈している
その対策
富貴の心
アクションプラン民間活力、庄屋ネットワーク、人材財の外に立ち大局観を持ち収支は一、二名の役人に任せる。
大義を明らかにする。

2. 擬対策問答集
問題提起
衰退の兆候とは
現状分析
武士の風紀の乱れ
借金まみれはなぜか
結論
賄賂の横行と役人のおごり
心を一つにして事態に真心で取り組み、指導する。
士農工商みとめる代わりに上位の責任を厳しく問う
藩主の大改革号令
私財公開
債権者の心をつかんだ借金整理、50年返済計画提示
備中松山藩の商社化
財を用いる兵を用いる、其の道一つなり。兵多きものは分け、数所に備え、兵少なきものは合わせて一手に囲む。
インフレ藩札の回収焼却、新藩札と交換
ベンチャー企業への変身
投資販売まで直営化、ブランドマーケティング
武士の意識改革と軍政刷新洋式兵器製造
新田開発
工場、河川、街道改修等雇用確保
地域産業の活性化 鉄製品、工場設置、たばこ、柚餅子等

幕政参加
幕府国政顧問として
藩主の国政進出への意欲
要職を得るための賄賂は出せません

政局対応
対応能力を失っている
多少の改革では間に合わない
解体の荒治療必要
よって火中の栗を拾うことになるので幕府要人は避ける

安政の大獄への対応
反対し寺社奉行罷免
再び国政顧問
首席老中のブレーンとして
大政奉還と藩の消滅
高梁藩再興
廃藩置県

教育者として
岡山閑谷学校再興 春秋出張講義
藩校
牛麓舎 長瀬塾 小坂部塾
学問所
教諭所
以上方谷の生き方は、他社への真心と思いやりの心で、人の幸せを願い実行する王陽明の遺志を実践されたのでしょう。
戦略と戦術。目的と方法

財務状況
収入28500両
費用49300両うち借入利息13000両
赤字20800両
他に借入金10万両――>
7年で完済更に蓄財十万両

再生イメージ
松山藩――倹約令、賭博禁止、目安箱、酒接待禁止
撫育方、藩軍、藩校、学問所、教諭所、寺子屋、里正隊、米蔵救済蔵設置47か所
大坂――蔵屋敷廃止、コメ市場相場を見て出荷販売
江戸――江戸屋敷産業方アンテナショップ 
備中鋤、釘産品販売

柔能く剛を制する理を知り、而して後以て世に処すべし、以て事に接すべし。以て人を治むべし。
自然の誠意より出でて、財を積み国を富ませば王道なり。
権謀術数を以て、国を富ませば覇術なり。

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